陶の里の村人

堺市陶器の村に住んでいるブログ主のきままな記事です。稀にめちゃめちゃためになることを書きます。

陶器のだんじり祭の紹介 その2 <悲しい地域>

陶器だんじり祭を紹介するにあたり、陶器の歴史の紹介は避けては通れないと考えている。

 

陶器だんじり祭は堺市中区の陶器と呼ばれる地帯で行われている。

 

古墳時代には、陶器川周辺を中心に現在の大庭寺、高倉寺あたりまでの地帯(陶邑すえむら)で須恵器が盛んに生産されていて、一大産地となっていたと言われている。

陶器の地名の由来はそこからきている。

 

同地域は茅淳県陶邑(ちぬのあがたのすえむら)として日本書紀にも登場する。

また陶器だんじり祭で宮入が行われる陶荒田神社も古事記日本書紀に関連事項が登場する。

実はなかなか歴史が深い地域である。

 

ちなみに延喜式神名帳では陶荒田神社は和泉国大鳥群鎮座と記されており、史実によると陶器は大鳥群に属している。

大鳥群は和泉国に属しており、和泉国の別名を泉州というらしい。

 

現在だんじりに参加している人々が扱う「泉州」がいったい何を指すのか私は知らないが、いわゆる陶器の地区自体は泉州に含まれると認識している。

 

 

堺のだんじりをどこかに定義するならば、明治29年の堺の大喧嘩以降なくなってしまっただんじりのことを指すのが合理的だと私は思う。

現在の中百舌鳥、三国ヶ丘堺駅あたりである。

 

だが今日、泉州と堺は分けられることが多い。

一時堺県として堺県として独立していたことが嫉妬されているのだろうか?(ちなみにその堺県には泉州一体が含まれている。)

 

今日において堺のだんじりとは、わざわざ分けるのであれば堺市だんじりと言うのが適切だろう。

わざわざ堺市だんじりだけを分ける必性はないとは思うが。。。。

 

これまでのことについては、特に問題はないのではあるが、今日では「泉州・堺だんじり」という類いの題名でDVDがいくつか発売されているようだ。

 

私は視聴したことはないが、これに陶器だんじり祭は一切収録されていないと聞いている。

 

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一体どういうことなのだろうか。。。。

 

はっきり言って失礼である。

陶器地区は泉州の地域でも堺の地域でもないという思考なのであろうか。

陶器地区は堺市に属しており、和泉の国(別名泉州)に属していた。

 

収録しないのであれば、本DVDの趣旨に反する、陶器地区は歴史的に堺でも泉州の祭りでもないなど、一言書いたほうが良いのではないか。

それか「やりまわしをするだんじり集」に改名することをおすすめする。

 

日本紹介DVDで鹿児島県だけ紹介されなかったら普通は鹿児島県民は激怒すると思いますが、、、、

 

陶器のだんじり祭は今日において堺と泉州から排除されてしまった非常に悲しい地域である。

 

 

泉州とは一体何なのだろうか?